現在、ドローベンチの引抜方法として大きく2型式に分類されており、デュアル型においては、弊社オリジナルの傾斜デュアル式(特許取得)、水平デュアル式(特許取得)を加えると4方式となります。
抽伸機 | 型式 | 引抜方法 |
---|---|---|
ドローベンチ (バー・バー機) |
シングル型 | フック式 |
デュアル型 | デュアル式 | |
傾斜デュアル式(藤岡工作所オリジナル) | ||
水平デュアル式(藤岡工作所オリジナル) |
シングル型 | |
---|---|
フック式 | |
本体断面模式図 | 機械概要 |
シングル式は古くから使われている型式のもので、フック式とも呼ばれています。素管の先端をキャリッジのチャックでつかんだ後に、キャリッジの下部で引抜方向に回転するエンドレスチェーンにフックを連結し、引抜くものです。引抜き完了後、別モーターで復帰させます |
デュアル型 | |
---|---|
デュアル式 | |
本体断面模式図 | 機械概要 |
デュアル式はキャリッジを両側の2本のエンドレスチェーンで平行に連結し、そのチェーンの正転・逆転で、キャリッジを往復運動させます。このとき、キャリッジのチャックかみ込み中心とダイス穴軸とが、同一直線上にあり、しかも2つのエンドレスチェーンを含む面上にあるため、素管(ワーク)をまっすぐに引くことができ異常なトルクが材料にかかりません。引抜きが終わると自動的にチャックが離れ、2つの平行チェーンの間から下方に材料が落ちます。 |
デュアル型 | |
---|---|
傾斜デュアル式(藤岡工作所オリジナル) | |
本体断面模式図 | 機械概要 |
傾斜デュアル式は、デュアル式をさらに発展させた方式で、従来のデュアル式では、機構・装置の大型化や複雑化は避けられず、従ってその製作コストも高騰する結果となり、また稼動効率的な観点からも改善の余地が多分に含まれていました。 そこで弊社では、引抜中心線を傾斜させることにより、デュアル式同様の直線精度を確保、さらに、引抜後の製品(ワーク)平行移動を容易にした結果、ベットへのコラム材使用が可能となり、機構全体の高剛性化に成功。また、リニアガイドの取付も可能となり、さらに高い直進精度を実現。 なお、弊社では減速機を機上一体構造とする独自のトルク吸収方式を採用しており、通常のコンクリート基礎に頼ることなく、コラム5面機械加工接合による一帯重構造とすることにより、基礎工事省略化を可能としています。これらにより、ワークの直進精度アップ、減速機設置スペースの省スペース化、据付工事の簡素化等、従来のドローベンチの諸問題を改善しています。 |
デュアル型 | |
---|---|
水平デュアル式(藤岡工作所オリジナル) | |
本体断面模式図 | 機械概要 |
水平デュアル式はデュアル式と同様の原理で引抜中心線とチェーン中心とを同一直線上とし、ワークランプにより、ワークの供給・取出を上方から確実に行います。また従来のワークフローを一新し、ワークの供給・吊芯挿入・引抜抽伸・取出を全自動化しています。まず、ワークランプにより引抜位置まで素管供給をおこないます。次に素管の吊芯挿入をキャリッジによりおこないます。この際、ダイスプレートが上下し、吊芯挿入位置へダイスプレートが移動し、挿入完了後、ダイス抽伸位置までダイスプレートが戻ります。引抜抽伸完了後、ワークランプにより製品取出をおこないます。傾斜デュアル式はオペレーター付で半自動化する場合に適応し、水平デュアル式は全自動化する場合に有効であるといえます。 ※全自動化の際、素管供給装置が別途必要となります。 |